リズムって?
リズムってなんだろう?
「リズム」とは何でしょう。2/4拍子や、3/4拍子のこと? 四分音符や、八分音符や、付点の音符のこと? ..どちらも「リズム」と深い関係がありますが、でもそれだけでは不十分。「リズム」は、どの音楽にもあって、どの楽譜にも書いてありますが、「本当のリズム」は、だれの目にも見えないところにあるのです。たとえば『カルメン』前奏曲の後半と、『幻想交響曲』のワルツ、『三角帽子』のホタ舞曲、そして「ボレロ」はどれも3拍子です。同じ3拍子の音楽でも、まったく違う音楽に聴こえませんか? それはどうしてでしょう? それから、同じ「ワルツ」や「行進曲」でも、音楽を聴いて思わず踊りだしたくなる、行進したくなる、そんな演奏もあれば、これじゃ踊れないよ! という演奏もあります。どこからそのちがいが生まれるのでしょう? 実はそこに「リズム」の秘密があるのです。 「リズム」は、音楽の命です。「リズム」があって、はじめて音楽は息をし、動きはじめます。体の中の色々な部分が協力して、ドキドキ脈打つ心臓を動かしているように、音楽の中のたくさんの要素が複雑にからまって、音楽の命である「リズム」を生み出しているのです。それは「テンポ」だったり、楽器の種類や「音色」だったり、「ひきかた」だったり…。実験では、このリズムの「秘密」にせまります。指揮者も、オーケストラも、生き生きとしたリズムを作り出すために、いろいろな工夫をしています。そしてその工夫は、じつは演奏者全員の心をひとつにして音を作る「ハーモニー」とも、とても関係があることに気づくのではないでしょうか。