鍵盤楽器のいろいろ
ピアノ
独奏はもちろん、ほかの楽器の伴奏や室内楽でも大活躍する楽器です。ピアノの内部にはたくさんの弦が張ってあり、指で鍵盤を押すとハンマーが下から弦をたたくことによって音が出るしくみになっています。ピアノが作られたのは今から300年ほど前、イタリアにおいてです。それまで使われていたチェンバロという鍵盤楽器をもとに発明されました。ピアノの正式名称は「ピアノフォルテ」といいます。これは「ピアノ(弱い音)もフォルテ(強い音)も自由に出せる楽器」ということからつけられた名前です。この新しい楽器「ピアノ」の発明は、当時の音楽界では画期的なできごとでした。モーツァルトやベートーヴェンをはじめ、ピアノの詩人とよばれるショパンや、リスト、ラヴェル、ラフマニノフなど、たくさんの作曲家によってピアノの独奏曲、室内楽、協奏曲といった美しい音楽がうまれました。
チェレスタ
きらきらと輝くお星さまのような音を出す楽器。鍵盤を弾くと、ハンマーが金属の音板をたたいて独特の音色を出します。ロシアの作曲家チャイコフスキーは、チェレスタの音色をとても気に入りました。彼が作曲したバレエ音楽『くるみ割り人形』の「こんぺい糖の踊り」にはチェレスタが使われ、この楽器がはじめて広く世に紹介されました。可憐で美しい音色は作曲家の興味を集め、その後、ムソルグスキー/ラヴェル編曲の『展覧会の絵』をはじめとするたくさんの作品に使われるようになりました。
オルガン
ヨーロッパの教会には古くからパイプオルガンが備えられ、礼拝に用いられていました。神様を信仰する場である教会を、パイプオルガンの音色はおごそかな響きでつつんだことでしょう。大作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハは、教会の名オルガン奏者であったことでも有名です。サントリーホールのパイプオルガンには全部で約5800本ものパイプがあり、それぞれのパイプが違った音の高さ・音色を持っています。鍵盤を押すと特定のパイプに空気が送り込まれ、音が出るしくみになっています。